2010年8月22日日曜日

Kraftwerk - Radio Aktivität


クラフトワークは『Autobahn』の世界的な成功を踏まえて、本作では奇抜なコンセプトをさらに押し広げ、アルバム全体を通して電波(と、これまたバンドのお気に入りの電磁スペクトルの波長)をテーマとして追求した。そして音楽面では、ポップ・センスに画期的な変化をみせている。独特の「プログレッシブ」なサウンドは変わらないものの、とびきりメロディアスなフック(タイトル曲の「Airwaves」が絶好の例)が、一般的なスタイル(つまり時間が短め)の曲のなかに組みこまれているのだ。ミニマリストの手法で音声を表現した「News」といったトラックでは、彼らが音楽的な影響を受けた偉大な現代音楽の作曲家・理論家カールハインツ・シュトックハウゼンに敬意を表している。「Antenna」は、ほとばしるエレクトロニックと「ぼくは振動をとらえるアンテナ、きみは情報を伝える送信機」とだけ繰り返す最小限の言葉で多くを語る独創的な歌詞とで、クラフトワークがテクノ界の神になったことを予感させる。本作は傑作であるが、これまで過小評価されており、再評価が待たれるところ


1. Geiger Counter
2. Radio-Activity
3. Radioland
4. Airwaves
5. Intermission
6. News
7. Voice Of Energy
8. Antenna
9. Radio Stars
10. Uranium
11. Transistor
12. Ohm Sweet Ohm

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